ドラゴン # 6329 1/35 M2/M2A1 ハーフトラック スマートキット(2in1)
スマートキットも3作目となり、過剰な部品分割を行わず、かつ精密感は妥協しないというコンセプトをより一層進めたキットとなりました。
部品分割は大変良く考えられたもので、オープントップのコンバーチブルキットとしては、部品点数を押さえることに成功しています。モールドはパンターG並みのシャープなもので、合いも良好です。
設計は、高田氏と謎のH3氏のコンビです。

多面スライド金型を使用し、一発で抜いてある起動輪/誘導輪

履帯は「左右分割」というアイディアものの部品分割で実物の持つ構造を忠実に再現。2列のセンターガイドや履帯中央の穴をたった2つの部品で再現しています。

フロントの装甲板にもさりげなくスライド金型を使用。

エッチングは曲げ加工の必要ない、初心者でも取り組みやすい内容。

通しの車両ナンバーがカルトグラフデカールでセットされているのも魅力です。

多面スライド抜きによる起動輪と誘導輪

タイヤは自然かつ適度に自重変形しています。

転輪周り。複雑な構造を最低限の部品で再現。D5/D32/D21/D33の関係は説明書ではちょっとわかりづらいのですが、下の写真のような感じになります。

A1とA41はステアリングに関係する部品で、A1の後ろのダボはA41に連結します。

エンジンは冷却ファンもパーツ化。履帯周りの再現性は素晴らしいの一言です。

キャビン周りもかなりの密度感。キャビン+ボンネット部、兵員室、シャーシは最後まで別々のユニットとして組み立てられますので、塗装も楽です。

タイヤの自重変形が効果的な演出になっています。また、履帯とタイヤのラインが綺麗に揃って組みあがります。

装甲板は大変薄く成型されていますが、ヒケや変形は一切無く、突き出しピンの跡も見えないところにあるため、パテのお世話になることはありません。
あっ、手すり(D24)を付け忘れていますね!

部品の合いは素晴らしいもので、ドラゴンはおろか、全てのプラモデルの中でもトップクラスの精度と言って良いと思います。また、ダボの位置も大変正確で、ダボを切り取って調整する...などということはこのキットには一切必要ありません。ボンネットや兵員輸送室を覆う装甲板は箱組みなのですが、ご覧のように一切隙間は出ません。ただし、K20/K21はK9と接合する面(燃料タンク兼背もたれの側面)に妙な抜きテーパーが付いていますので、K9を接着するときにヤスリがけが必要です。

ここまでの作業時間は約10時間で、週末で組み上がるキットと言えるでしょう。部品数は330と表示されていますが、コンバーチブルキットであるため、実際に使用するパーツは300以下です。
ちなみにドラゴンの「コルスンポケット」フィギュアセットは400以上の部品数がありました(笑)

ライトレンズのモールドは綺麗に施され、ポジションライトも抜かりなく部品化されています。格子状のエッチングの嵌合も完璧でした。

.30口径機銃の先端にある溝も綺麗にモールドされています。

<実車について>
M2ハーフトラックはM3と並行して生産されたアメリカ軍の半装軌装甲車で、兵員輸送を目的としたM3に対し、M2は偵察や軽野砲・対戦車砲の牽引を目的として設計されました。M3と違い車内に弾薬搭載スペースを設けているのが特徴です。また、外周装甲板内側に沿って機銃を取り付けるスケートレールが装備され、全周に射撃できるようになっていました。このレールのため、後部にドアが無いのもM3との識別点です。M2は1941年5月から引渡しが始まり、43年までに11,000両あまりが生産され、一部はレンドリースでイギリス軍やソヴィエト軍などにも提供されています。戦訓により、助手席上部に円周銃架(リングマウント)を増設したのがM2A1で、こちらは43年から44年に掛けて生産されました。

米軍のハーフトラックはこれまでタミヤのM3A2しかなく、ようやくこれで北アフリカやイタリア戦線、フランス戦線、東部戦線の情景にハーフトラックを登場させることが可能となりました。

キットはM2かM2A1のいずれかを選択するコンバーチブルキットです。