サイバーホビー(緑箱) #6397 1/35 IV号駆逐戦車 L/70(V)
「ラング」の通称で親しまれる長砲身タイプの四号駆逐戦車は1944年8月からフォマーグ社で生産が開始されました。ドラゴンがキット化したのは、上部転輪が3個になり、前2つの転輪がゴム内蔵の鋼製転輪に変更された、9月以降に生産されたタイプです。ドラゴン(日本ではGSIクレオスブランド)は以前、IV号駆逐戦車をキット化していましたが、今回のキットは一部にスマートキット版IV号戦車のパーツを使用しているものの、大半は新設計で、以前のIV号駆逐戦車のパーツは一切使用していません。

Thanks to Mr.lung of DML for the review kit.
参考書籍:グランドパワー98/8(当店に販売用の在庫はありません)

44年9月以降に生産された車体の特徴は、1.ゴム内蔵鋼製転輪の採用。2.上部転輪を3個に減らした。3.戦闘室側面上部に雨除けシートを取り付ける金具を新設、4.縦型排気マフラーに変更。5.新型軽量履帯の採用、などで、9月中旬からはツィンメリットコーティングが廃止されています。4.については、以前の横置きマフラーのストックが無くなり次第実施されたようで、キットは横置きマフラーを選択する事も可能です。

キットには軽量型履帯のマジックトラックを新金型でセット。


成型技術の進化により、殆どの場所がプラで再現できるようになったので、エッチングの量はどんどん減っています。

サスの台座を車体に留めるボルトの数が減らされている点も新規部品で再現。

L/70(V)の車体は、車体前部の装甲が傾斜した専用のもので、底面の脱出ハッチの位置も移動しています。また、IV号戦車とは燃料タンクの配置が異なるため、給油口の位置も異なります。当然ながら、車体下部は新規金型で再現。

新金型のゴム内蔵鋼製転輪は、ご覧の通り素晴らしい出来。

完成すると見えなくなりますが、戦闘室後部のベンチレーターもきちんと再現。


トラベリングロックは可動式。

今回から戦闘室上面の照準器開口部を覆う装甲板が別部品となり、砲身のスイングに連動して照準器が移動します。この辺りも装甲板をスケール応分の厚みで成型できるようになった金型技術の進歩が実装を可能にしたと言えます。
※砲身を左右可動にするにはG30の小さい方のダボを切り飛ばします。
※左右可動が不要な方には一体型の装甲板も用意されています。

戦闘室上面には近接防御兵器を装備する事もできます。見本では「調達が間に合わなかった」個体として、取付穴を塞ぐ板C35を選択しました。

前部機銃口の覆いは簡単な工作で可動に出来ます。
※粗忽な私はトラベリングロックG23の側面のモールドを削っていますが、これはパーティングラインでは無くモールドなので削っては駄目です(--)

縦型マフラーは、内部の補強リブと排気管の頭が一体成型されています。溶接跡も再現。リアパネルの予備履帯ラックは2種類が用意されていますが、「H」が初期型、「J」が後期型で、ストックが無くなり次第差し替えられたようです。Jの方が履帯枚数が多くなっており、ノーズヘビーのL/70(V)に少しでもバランスを取ろうとしたようです。

最後にIV戦車H型との比較。戦車型に比べ非常に姿勢が低くなっているのが解ります。IV号戦車が垂直装甲に近い80mm〜50mm装甲であるのに対し、L/70(V)は80mmの傾斜装甲で、砲の威力増も含め、大幅に戦闘能力が強化されました。段階的に戦車型の生産は減らされ、IV号駆逐戦車に置き換えられる予定でしたが、計画が完了する前に終戦となりました。

 

 

3コマ目×H54 → ○B54
9コマ目×B8 → ○G8