サイバーホビー(緑箱) #6452 1/35 Sd.Kfz.7/2 3.7cm Flak37 装甲キャビンタイプ
トランペッターを意識したのか、矢継ぎ早に繰り出される、8トンハーフのバリエーションです。「大砲が変わっただけでしょ?」と思うのは早計で、新規に起こした装甲キャビンは2種類がセットされ、砲を載せるプラットフォームを囲む側壁は、木製タイプと金属格子タイプを用意。更に、現存するレストア車の仕様を再現した「ミュージアムタイプ」に組む事も出来る、2in1ならぬ3in1の設計です。このため、足回りとエンジン以外はほぼ部品が入れ替わったキットになっています。

Sd.Kfz.7/2は、7/1が4連装2cm機関砲を搭載したのに対し、3.7cmの単装タイプです。単位時間当たりの弾薬射出量は2cm4連装が勝るのですが、連合軍が地上攻撃に8インチロケット弾を使用するようになると、2cm砲ではアウトレンジされる事が多くなり、戦争後半に必要性が高まりました。

このキットはIV号戦車H型と比べても更に一皮むけた合いの良さです。ラジエーターグリル、ボンネット、装甲キャビン、対空砲のプラットフォームそれぞれは別々のダボによって固定されているのですが、最終的に殆ど無調整で隙間無く嵌合するのは、素晴らしいと思います。逆に、塗装しながら仕上げる方は嵌合面の塗膜の厚みには十分注意を払う必要があるでしょう。ちなみに、ボンネットフードは接着していませんが、逆さにしても簡単には外れません。
前輪は(用心のため)履帯取り付け後に接着したのですが、何も調整しないで綺麗に接地しました。

3.7cmFlaK37は素晴らしい出来です。貼り合わせる部分もそれなりに多いのですが、組み上がると接合面の多くが、隠れて見えなくなります。設計者コンビの部品構成の巧みさには何度も驚かされます。

取扱説明書ですが、気がついた範囲では部品番号の指示間違いは無かったと思います。ただ、コッキングハンドルA16は取り付け位置指示の矢印の先が少し下過ぎるようです。また、このパーツの実物はパイプ状の金属で作られているので、ピンバイスで穴を開けてみました。

前作の4連装2cmタイプがメッシュタイプの側壁のみパーツに入っていたので、木製の側壁を使って組み上げてみました。

3.7cmFlak37のフラッシュハイダーは、スライド金型を使用した現時点のインジェクション最高峰の出来。

装甲キャビンは2枚の装甲を組み合わせたタイプか、1枚の装甲を折り曲げたタイプか、選択できるようになっています。2枚タイプは荷台が金属格子側壁と、1枚タイプは木製側壁と組み合わせて使うように指示されています。

側壁が違うため、砲を載せるプラットフォームも二つ用意されています。側壁は7/1の一部車両でも見る事の出来る木製タイプも用意。

「別売り履帯殺し」と言っても良い出来の連結可動履帯。ゲートレスの為、手間無く組み上がります。接着面やダボもよく考えられているため、確実に可動になります。起動輪を治具代わりにして巻き付けながら組むと良いと思います。

タイヤは接着塗装可能な軟質素材。ハブとの接点に隙間が空く場合は、流し込み接着剤を流して、しばらく指で押さえておくと、写真に写っているくらいまで隙間が塞がります。

複雑そうに見える足回り/車体下部ですが、実は驚くほど少ないパーツで構成され、かなり短い時間でここまで来ます。合いは非常に良好です。
(まだすべての部品を取り付けていません)

エンジンは本体+D54+D41を接点にしてシャーシにマウントされます。このため、本体(D44+D45)を組んだら、D54を接着して、エンジン後方のダボをシャーシにはめ込み、D41を接着して水平出しをするのがお勧めです。

完成したエンジンルーム。ステアリングホイールの先がきちんと前輪までリンクしています。
ボッシュライトのスリットですが、せっかくなので裏から浚って開口してみました。

非常によく考えられた設計で、早く切り出して取り付けたくなるパーツが随所にあります。それなりにパーツ数の多いキットですが、組み立て途中には実車の構造をつぶさに検分でき、製作の励みになります。
取扱説明書に明確な間違いは殆どありませんが、1ステップずつに工程を詰め込みすぎで、あまり親切とは言えない部分も幾つか有ります。疑問点の解消にはモデルアートのディティール写真集が大変役に立ちました。実車についても有用な解説がされていますので、合わせて購入されると、より快適な組み立てが可能になると思います。