サイバーホビー(緑箱) #6561 1/35 M10パンター(偽装戦車)グライフ作戦
ドイツ軍最後の賭、アルデンヌ攻勢(バルジの戦い)では様々な特殊作戦が計画されました。中でも、スコルツェニー中佐が率いる臨時編成の第150装甲旅団は「グライフ作戦」として、米軍に偽装した車両や捕獲車両、米兵の軍服を着たドイツ兵から成り、ミューズ河に架かる重要な橋を奇襲確保する計画を立てていました。M10パンターは大変凝った偽装車両で、パンターにM10駆逐戦車のシルエットを模した装甲板を被せるのみならず、キューポラを除去、更に米軍第5機甲師団を模した車両番号まで書き込んでいました。緒戦の奇襲効果が失われた後、この偽装パンターは通常の戦車として前線に投入され、米軍と交戦しています。

☆必ずお読みください☆
このレビューは、2009年7月に発売された初版に対するもので、発売直後の視点で書かれています。
2014年4月入荷分では履帯がベルト式に変更されています。


Thanks to Mr.lung of DML for the review kit.

ドラゴンは以前に#9060としてカタログに同車を掲載、その後発売されないままカタログ落ちして、ファンをがっかりさせましたが、今回の#6561はスマートキット版パンターをベースに設計しています。おそらく#9060は旧キットであるグンゼ(現GSIクレオス)のパンターベースで計画していたため、企画変更と共に品番も取り直したのでは無いでしょうか。
白箱になってもおかしくない偽装パンターですが、パーツ構成を見ると「こりゃ白箱じゃ採算取れないな」と言う凝った構成です。キューポラを除去した砲塔は丸ごと作り直し、車体に取り付ける偽装甲板はもちろん新規、防循を2種類セットする凝りようです。更に車体上部もOVM取付位置が変更になるため全部新規、と目に見える部分の半分くらいの面積は新規に起こされています。

車体上部もOVM取付穴が変更になったため、新規に起こされています。

特徴ある砲塔の偽装装甲板は、スライド金型で一発抜き。例によって極薄に仕上がっています。

手作りに近かった偽装M10は、防循以外にもU字フックの取付位置等が個体毎に異なるようです。キットは(ペイントされた偽車番が)B7号車とB4号車のいずれか選んで組み立てる事ができるようになっています。

防循は装甲が角張ったタイプと丸まった2タイプが入っています。説明書にも明記されていますが、B7号車が角張った方、B4号車が丸い方を装備しています。
偽装パンターの正確な生産台数は解っていませんから、ある程度自由に作って構わないと思われます。

サイドスカートも2種類から選択できます。完成見本では、ボルスタッド氏の箱絵の通り、まっすぐなタイプを使用してみました。




今回の組立に要した時間は約4日。店番をしながら手の空いたときに組みましたので、集中して組めば3日掛からないと思います。これはベースのパンターG型後期型が、プラモデルとしてもスケールモデルとしてもかなりの秀作に位置するからで、組立のストレスは一切ありません。また、本車は本来の工具やクリーニングロッドケース、牽引ワイヤーと言ったOVMが無いため、普段のパンターで手が掛かる部分が無い、と言うのもさっくり組み上がる要因です。
☆2014年4月入荷分では履帯がベルト式に変更されています。

偽装甲板のモールドも大変シャープで、殆どネタ同然のアイテムでありながら手抜きは一切無いもの今のドラゴンならではです。手軽に組めて新鮮なこの車両、週末のモデリングにお勧めです。

予備履帯を留めているフック(MA5)ですが、まずこのフックのみを車体に取り付け、接着剤が乾燥してから、履帯と留めピン(MA7)を取り付けるのがお勧めです。車体のガイドモールドがきっちり正確に彫られていますので、このガイドを100%信用して大丈夫です。エッチングの取り付けにはセメダインの「スーパーXG」を使用しました。この接着剤はシリコン系で、様々な材料が接着できる上、乾燥してからも弾力が残りますので、衝撃に強く、エッチングパーツの接着にお勧めです。今回は説明書の間違いもなく、気になったのはせいぜいこんなことくらいです。