ドラゴン #6632 1/35 III号戦車F型

【実車について】
III号戦車はドイツ初の本格的な対戦車戦闘用戦車として計画されましたが、A型からD型までは試行錯誤が続き、生産数もそれほど多くありませんでした。III号戦車のデザインが確定したのはE型で、これに幾つかの改良を加えたのがF型です。

F型はE型と比較してエンジンが新型になり、外観上も幾つかの違いがあります。フランス戦を皮切りに、ギリシャ侵攻戦やバルバロッサ作戦に投入され、主力戦車として活躍しました。フランス戦後には、配備済みの車両に対し、主砲を5cm砲に換装する、増加装甲を付与するなどの改修計画が立てられた他、消耗に応じて、40cm履帯や新型の転輪に換装するなど多岐に渡る変更が加えられたため、様々な姿のF型を見る事が出来ます。

【キットについて】
ドラゴンは過去にGSIクレオスのキットをベースにE型を発売していました(オレンジボックスのE/F型も基本的にはこの旧キットです)が、今回のキットはスマートキット版III号戦車J型の設計思想を受け継いだもので、旧作のパーツは一切使われていません。
また、スマートキット版J型やIII号突撃砲からの流用パーツもごく一部で、シャーシや車体上部装甲板、機関室装甲板、砲塔は完全に新金型。巧みに一体成型を進めつつも基本寸法やディティールは徹底してリアリズムを追求した仕上がりです。ツボを押さえたエッチングとカルトグラフ製デカール付き。

III号戦車F型は、3.7cm砲を内装式防循に搭載し、砲塔に連装の機銃を装備していました。この機銃は主砲と別々の仰角を取る事が出来ました。
また、機銃上部の装甲はハッチになっており、開閉する事が出来ました。キットはこの部分が別パーツになっており、簡単な改造で可動にする事が可能です。

キットも実物同様機銃と主砲を別の仰角にセットする事が可能です。

III号戦車F型は40年3月以降の生産車から、左フェンダー上にノテックライトを増設し、左フェンダー後部に角形尾灯兼車間灯を装備する個体が現れました。キットはノテックライトは選択式で、尾灯は丸形か角形を選択できます。


III号戦車F型は40年5月生産車から(これ以降のIII号戦車で一般的となる)新型転輪を装備するようになりました。キットに入っているのもこの新型転輪です。しかし、戦場写真ではノテックライトの装備が無いのに新型転輪を履いていたり、旧型転輪を履いたノテック付き車両、はたまた新旧転輪を混ぜ履きにした車両などが見られます。複数工場で生産されたため、部材の調達時期にも差があったのかもしれません。

キットのエッチングの使い方は非常に巧みで、エアインテイクのメッシュは当然として、消火器の受け皿、フェンダー前縁のパーツなどユーザーの負担にならないよう良く吟味してパーツ選択されています。今回の新要素として、ランニングライト用のライトコードは曲げ加工済みの金属線が付属します。曲げ角度は恐ろしいくらいぴったりに加工されていますので、取り付ける前に変形しないよう注意します。

 

 

 

 

 

 

 

16コマ目 V24とV25の図示が逆です。
18コマ目 V63とV62の図示が逆です。

生産ロットによって違う可能性が高いため、一概には指摘できませんが、見本に使った個体では履帯の成形色が逆になっていました。
つまり、説明書では「色の濃い方が左用である」と書いていますが、右用が濃い色で成型されていました。
履帯の取付前に良く形状を確認される事をお勧めします。履帯ピン止めワッシャのモールドがある方が外側になるよう取り付けます。