サイバーホビー(緑箱) #6644 III号突撃砲F/8型後期型 ヴィンターケッテ付き
ロシアに侵攻したドイツ軍は強力なソ連軍のT-34やKVに遭遇し、対戦車能力の大幅な強化を強いられます。それまで歩兵直協兵器としてトーチカや強化陣地と言った固定目標を榴弾で破壊するのが任務だった突撃砲も対戦車兵器として運用されることが決まり、24口径砲を搭載していたE型の主砲を43口径の長砲身に変更したのがF型ですが、生産途中からは更にに強力な貫通力を持つ48口径に換装されました。F/8型は、シャーシをIII号戦車M型と同じ新型シャーシに更新したものです。

キットはスマートキット版III号突撃砲G型の優れた基礎設計を継承していますが、側面ハッチのない前期型シャーシを再現するため、車体下部は新規。戦闘室と機関室上面も旧キットのパーツは一切使わず、新金型となりました。このため、同じ長砲身ながら、G型とは起動輪や転輪や小物パーツ以外はパーツが刷新されています。
III号突撃砲のスパルタンなフォルムを正確に再現したキットで、モールドのキレは最高です。


「ヴィンターケッテ」と呼ばれる冬季履帯です。左右に張り出した部分は実車も本体と一体鋳造で、ヴィンターケッテを装着するにはまるごと履帯を交換する必要がありました。右下に写っているのは、凍結した路面対策のスパイクで、履帯に何枚かおきに装着するようになっていました。
ヴィンターケッテは前作のIII号戦車N型に入っていた物とは異なり、接地面にツメ(シェブロン)が生えているタイプです。

のちのG型と違い、全体に戦闘室の高さが低く、左右の無線機ボックスを収納する張り出しが小さいのがE型戦闘室の特徴です。照準器は防御力を重視し、天井に移されました。

照準器は鳥かご状のパーツで保護されています。G型と違い、ベンチレータは天井部にあります。装甲は元々の50mmに30mmの増加装甲を取り付けており、T-34/76やKV-1といえど、本車を正面から撃破することは容易ではありませんでした。

デカールは第三次ハリコフ戦で活躍した第901突撃砲旅団から2種とノルウェーの第14空軍地上師団から「ULLA」「ERIKA」「GERDA」のニックネームを選択できる3種が入っています。戦記を読むと、T-34に攻撃された歩兵部隊が「もうダメか」と思った最後の瞬間に突撃砲が駆けつけて「綺麗にT-34を食ってしまった。助かった」と言う記述があちこちに見られます。本車が活躍した頃のドイツ歩兵部隊には有効な個人携行対戦車火器が無かったため、本車がカミサマのように見えた兵隊も多かったでしょう。突撃砲は旅団もしくは大隊編成ですが、実際には中隊ないし小隊単位で重点地区の歩兵部隊に分派されて運用されていたようです。東部戦線の突撃砲は決して待ち伏せ兵器では無く、戦場の火消しや歩兵直協など柔軟な運用が出来る優れた兵器でした。

特徴的な鳥かご状照準器保護器は、折り曲げ済みのエッチングが入っています。また、プラのパーツも入っており、好みに応じて使うことができます。
エッチングはブリスターの中に治具にはめ込まれた状態で出荷されています。MA8のリングを取り付ける際には、この治具に入っているダボがガイドになります。また、治具から取り外すと脚が曲がりやすくなりますので、無事にMA8が嵌るまでは治具から外さないようにします。また、R3(もしくはR4)にモールドされている隠しダボ穴はプラスチックパーツのサイズに合わせてありますから、R23を使う場合は開口しないようにします。また、R23のダボピンは削り取ってしまった方が良いでしょう。見本では半田鍍金を行ってMA8を取り付けました。治具に取り付けたまま半田付けを行いましたが、熱量の少ない模型用半田ごてを使ったこと、予め半田鍍金を行ったことで治具を溶かすことなく取り付けできました。

戦闘室内部は、床、砲尾、両サイドの無線機ボックスの内部、乗員用の短機関銃などが再現されており、ハッチから見える部分のインテリアとしては立派すぎるほどです。車長用のカニ眼鏡は収納状態と展開状態を選択できます。見本では収納状態としました。

突撃砲のキットは、実車と同じく砲塔が無いので、戦車型より早く組み上がりますが、F/8型はG型より装備がシンプルで、実質4日程度で組み上がりました。部品の合いも良く、フォルムも魅力的で、F/8型の決定版キットと言って良いのでは無いでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

1コマ目
・車体下部前面装甲板D11の番号図示が抜けています。
・R5とR6の図示が逆です。

7コマ目
・誤)M1→正)V1
・誤)M4→正)V4

8コマ目
・Q13は機銃用防循を立てる場合(Q18を使用する場合)のみ取り付けます。早い話がQ19を使用する場合は使いません。

7コマ目
・誤)M1→正)V3

10コマ目
・Q24とQ23の図示が逆です。