ドラゴン #6676 1/35 2cm対空砲搭載 1tハーフトラック Sd.Kfz. 10/5(スマートキット)

【実車について】
ドイツでは開戦時から装甲師団に随伴できる機動力の有る対空自走砲を編成に取り入れていました。Sd.Kfz.10/5は1トンハーフトラック(Sd.Kfz.10)に2cm対空機関砲を搭載した自走砲で、それまでの10/4がFlaK30を搭載していたのに対し、発射速度を改良したFlaK38に換装した車両です。1941年から配備が始まり終戦まで使用された活躍期間の長い車両で、対空任務はもちろん、地上掃射や機銃陣地の狙撃、軽装甲車両の破壊など様々な任務にも有用なユーティリティービークルでした。

ドラゴンは、この対空自走砲の母体である1トンハーフの派生車であるSd.Kfz.250は既に発売していますが、非装甲の1トンハーフは新規の発売です。転輪と起動輪、履帯のランナーは250からの流用ですが、車体のその他の部分は完全に新規です。ライトやバックミラーは透明部品で、エッチングパーツ、カルトグラフデカール付き。

2010年はドラゴンが飛行機や艦船のキット開発に力を入れた年で、完全新金型はオペルブリッツのみ、準新規といえるのがPaK40搭載型RSOと言うやや寂しい年でした。しかし、この間もドラゴンの金型技術は着実に進化しており、オペルブリッツの完全に抜けたスリットを見て驚かれた方も多かったのでは無いでしょうか。Sd.Kfz.10/5は、この進化した金型技術を「これでもか」とつぎ込んだ一作で、凄まじいディティールが施されたパーツが満載されたキットになっています。

完成見本の撮影をするときは「この車両の見せ場はどこだろう」と考えながら撮る訳ですが、このキットに関してはどこを撮っても密度感溢れるモールドが施されており、見せ場に困りません。
エンジン〜操縦席〜ミッション周りは完成すると見えなくなる部分までパーツが詰め込まれおり、クラッシュモデルにするにも最適です。

エンジンルームも主要なパーツはきちんと用意されており、多少パイピングを施すだけで十分な仕上がりになると思います。

履帯はマジックトラックで、パッドで挟み込む構造なので可動式になっています。42枚が標準ですが、見本では好みで1枚詰めました。

射撃プラットフォームには折りたたみ式の椅子が、フェンダー上には左右にライフルラックが装備されています。

キットのパーツ数は決して少ないとは言えませんが、実車のディティールを余すところ無く再現しようとする熱意に基づいてパーツが構成されており、無駄な分割は見あたりません。仮組をされる場合は、バルクヘッドのA40を核にして調整されることをお勧めします。このパーツは、フェンダー(C8/C9)やボンネットのサイドパネルであるA31(A28)の位置調整にもキーになるパーツですので、ここがぴったり決まると残りの部品が綺麗に収まります。パーツの精度は気持ちいいくらいにぴったりです。輸送状態、射撃状態どちらも異なった魅力があり、単体展示、情景製作のどちらにも手頃な大きさで使いどころを選ばない好キットでは無いでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

2コマ目 誤)A3(A2) → 正)A2(A3)
14コマ目 誤)C17(C16) → 正)C16(C17)

部品番号の図示が幾つか抜けています。

ライフルラックをロックするパーツ(A11-A14)の向きが説明書のイラストによって向きがまちまちに記載されています。また、A12とA13が入れ替わって図示されています(正しい向きに関しては箱絵が参考になります)。
正直に書いておくと、実はこのことには撮影途中に気づき、上の写真では(説明書の間違いに気づかなかったので)A12とA13が逆向きに付いています(^^;のでご注意ください。下の写真は慌ててパーツを付け直したものです。