トライスター ドイツ38(t)戦車 E/F型 \3,200(+税)
デビュー作のI号戦車で、その繊細な彫刻と行き届いた考証を披露してモデラーを驚かせた、トライスター本来のタッチに戻った素晴らしいキットです。
軽戦車の持つ装甲の薄さ、脆さ、軽快さ、チェコとドイツの文化が融合したエキゾチックな雰囲気を余すところ無く再現しています。

ここまで製作に要した時間は18時間程度です。要領の良い人なら、もっと早く組みあがるでしょう。ストレスに感じるところは殆ど無く、スムーズに組みあがります。

このように、パテ無しでカッチリ組みあがります。ただし、接着面のテーパーはきちんと取りましょう。

組みあがると見えなくなりますが、後部の点検口はボルトの取り付け穴が再現されています。

転輪の再現性は数ある38(t)のキットの中でもトップクラスでは無いでしょうか。起動輪の薄さも見事です。転輪・サスペンション・起動輪・誘導輪は可動で、強度も十分です。

エンジンデッキのエアインテイクは(完成後は見えなくなりますが)エッチングで再現されています。

機銃・砲口ともにスライド金型で開口済み、砲塔向かって右の照準口は砲身と連動して可動します。照準口の上の日除けはエッチングパーツで再現。

キットに入ってる履帯はプチプチ嵌め込み式で、組み立ては簡単、薄さや形状も申し分有りません。ただし、合わせは少し緩めですので、カッチリした合いをお望みなら、カステンSK-30やフリウルATL-13に替えてやった方が良いかもしれません。

7コマ目のE33とE34の選択ですが、E33は誘導輪のテンション調節の部品で、E34はそのカバー付きの状態だと思います。7コマ目の図示では、右がE34左がE33となっていますが、どちらかを選んで、両側とも同じパーツを使用した方が違和感が無いと思います。8コマ目では両方ともE34を使っていますので、オプションの指示が脱落したのかもしれません。それ以外で説明書に指示ミスは無いと思います。

小さくてよく見えないかもしれませんが、排気管も最初から穴が開いてます。機関室のメッシュ、OVMを留めているベルトのエッチングもキットに付属しています。

クランプに関しては、梃子の部分のみエッチングが付属しています。キット付属のエッチングとしては十分ではないでしょうか。

このキットで一番調整が必要なのはフェンダーパーツ(C27,C26)でしょう。外側に微妙に垂れた絶妙のパーツだけに、補強リブ(D7,D8)、前面装甲板C25との調整を十分に行ってください。

このように、組みあがると雰囲気満点の38(t)が出来上がります。非常に良く練られたキットで、一時のトライスターに見られた未熟さを払拭した感じです。全体的な合いはかなり良いのですが、嵌め合わせはややきつめですので、接着面の調整を慎重に行うと良いと思います。もっとも、(この手のリベットの多いキットの場合)「合わせが緩くてパテ必須」では地獄ですから、合わせはきついほうが歓迎です。

というわけで、ドイツファンはもちろん、軽戦車ファンには文句無くお勧めの好キットです。ぜひどうぞ。